グロウブ号の冒険

井上ひさし さんの遺作。 これも また 中途で終っている。

名作「十五少年漂流記」を 思い起こさせるような 小説である。

氏の最後の頃の著作は いずれも 少年が主人公であって なにか 不遇であったが 未来に希望をいだいていた頃の 願望がそのまま表現されている。死が近かったので 自身 再生への望みが在ったのかもしれない。

辛辣な オピニオンリーダーだったので 現在のこの 日本の状況をどうあの世から 考えているのか 聞いてみたい気がする。

装幀装画は 安野光雅さん。 素晴らしい絵である。