がんす

広島の古い方言に「がんす」という言葉があり、「です」と言う意味である。最近はほとんど使われていないんでがんすが、これは食べ物の「がんす」のことでがんす。

がんすは魚の練り物の外側にパン粉をつけて フライ風に揚げた食べ物で ちょっと変わった食感があり、酒のつまみに適している。

呉の本通に おいしいがんすを売っている店がある。名前を「廣光介一商店」という。 この店のがんすは煮ても煮崩れしないし 少し 唐辛子が入っていてピリ辛で美味しい。去年の千福新酒祭の時 たまたま買って食しおいしかったので 今年も買う事にした。

かなり 大きい間口の店で 大きなショーケースの沢山の蒲鉾や練り物揚げ物がならんでいる。左下の隅に そのがんすが置いてあった。

去年もそうだったが 店番の人が居ない、人の気配もしないので おらぶと
やっと 小母さんがでてきた。 去年もそうだったような気がする。 呉の小母さんはすべて やる気があるのか無いのかわからない!

がんすを五枚頼むと おばさんはビニール袋に 何を思ったのか 十枚詰め込んだ後 「ああ 五枚だった」と 独り言をいって また 五枚をショーケースに戻した。 なんだか 少し 残念な気がした。 一枚70円なので350円払って 店を後にした。

帰宅して このがんすをチンして 千福の新酒の熱燗とともに晩酌をたのしんだ。あと 四枚 残っているので 今週一杯 酒のつまみの心配をしないで良さそうだ。

一年に 五枚のがんすで十分でがんす。