長女の友人が釣果として手頃な大きさの立派な鯛を三尾持参してくれた。一尾は塩焼にもう一尾は煮付けにして食し残りの一尾は冷凍保存してあるので鯛飯にでもしようかと思案している。いずれも頗る美味であった。秋の鯛は春ほど珍重されないがそこはそれさすがは鯛である。

「秋風や 高井のていれぎ 三津の鯛」 子規

ていれぎは学名をオオバタケツケバナと称し清流に自生する美しい緑色の水草で刺身のツマに欠かせないもの、子規には懐かしい故郷の味であった。松山近郊の三津港の鯛しかりである。