栗は果物界にあって変わった奴である。なにせセルフディフェンスの固まりである。外殻の毬は第一段階の装甲で鉄条網の役をなしている。鬼皮は第二段階の装甲であって硬い鉄板代わりだ。そして第三段階の装甲は渋皮で名の通り渋で口を撃退する。なので甘い果実にたどり着くには何段階の装甲を撤去せざるを得ない。しかも生の果実はあまり美味しく無く熱加工を施す必要が在る。面倒くさい奴だ。

「栗焼いて しずかに話す 夕べ哉」 子規

今日の夕餉は二回目の栗御飯 家人が「ぶつくさ」云いながら栗を剝いてる。