シューマイ


先だって家人がなにをおもったのか突如シューマイを作ってくれた。とても美味であった。

まだ小学生だった頃 大叔父が広島の丹那に住んでいて当時はまだひなびた漁港だったがそこを訪れたことがあった。峠からは宮内までバス、そこから広電の郊外電車、己斐で市内電車に乗り換え多分皆実町まで行って、そして歩いて丹那へ行ったとおもう。多分。でも記憶に残っていない。残っているのは帰途 夕方に己斐で電車を待つ際に駅前の中華料理屋で生まれて始めての外食をした事である。始めてのシューマイであった。いまでも心に深くシューマイの味が残っていて天にも昇る美味さであった。其れ意外に何を食したのかはまったく記憶にないが 確かシューマイの上には緑のグリーンピースが輝いていた。

以来 焼売は自分にとって外食の象徴でありスーパーなどで崎陽軒のパックがあれば購入し食すが美味い事は美味いが小学生のおりのような感動はない。母と一緒に食事をすることも、もう敵わなくなった。 

家人のシューマイにも十分満足したが、もし一つ欠点があるとすれば、頂上にグリーンピースが載っていないことで これさえあれば食に関してもう想い残す事は何も無い。