廿日市の港を見下ろす高台に 巨大な楠の木がある。 ここは廿日市天満宮の敷地であって 登ると 丁度 建物の裏手に その木がある。 なので根元は見えない。 仰ぎ見ると すこぶる大きい。

樹齢が何年になるのか わからないが 江戸時代以前なので この木は津和野藩の参勤交代や 長州征伐 そして 最近では 広島の原爆を見て来たのであろう! とすれば 歴史にあまり興味のない私でも感慨深い。

私の育った山里は 丁度 ここから三里 約12kmに位置する。 中学高校と おんぼろバスで峠を下り上りして 通学したものである。 だから この木も当然 その姿を眺めていたろうが 最近まで この楠があることすら失念していた。

町の家屋や道路は変遷して 昔の面影はないが この木だけは いつまでもその勇姿を 旧廿日市の象徴として 見せてもらいたいものだ。