紙垂


御幣の一種である。 紙の切り方によって 三つの流派があって 一般には伊勢流が主流らしい。

今度の日曜日が祭りなので 家の周囲に縄をはって紙垂を付けた。 改まって 神聖で清浄な気分になる。 五穀豊穣を祝って 秋の祭りが催される。

生まれ育った山里では 各戸が離れていたので しめ縄の風習は無かったようだ。 神輿もなくて せいぜい秋の幸で 御馳走をするくらいだった。
それでも 冬が近ずいてくるこの季節 農家の一年の実りを祝って ささやかだが 山の幸 野の幸を得て 家族一同 食膳を囲んだものである。

貧しかったが 美しい心と相互扶助の気持があふれていた様な気がする。

今 多くの人が 豊かにはなったが 逆に 人と人とのつながりが順次薄れて行くようだ。