ポーカー.フェース

沢木 耕太郎の最新エッセイ集。

どの章もすばらしいが 特に「春にはならない」の鋭い考察には 心ひかれた。

氷が融けたら なんになります? 一般には 答えは水であるが、この答えを春になります、と回答した少年の美しい気持ちが新聞で取り上げられた事があった。先生はこの回答を零点にしたが これに対して周囲は少年に気持を重んずべしとのことがあった。

だが このことが本当の事であったか,沢木は疑問に思っている。

氷が でなく 氷は融けたらでは無かったか? 当然 答えは水である。なので 「が」と 「は」を入れ替えることによって メディアが美談にしたのではないか?

小生も この考察には賛同する。なぜなら あまりにも 美味い話であるからである。

NHKの「家族に乾杯」は 小生の好きな番組の一つであるが 最近 仕込まれた様な出会いが多くなって来て 少し 興ざめしてきた。 偶然の出会いの面白さが この番組の楽しさだったが 出来すぎた出会いは誰が考えてもおかしい。 とみに 最近の数回にはこれがあって だんだんと見ていて 不愉快になってきた。

あるがままで 普通であること これが一番である。