百合

家人が今年の正月に食した茶碗蒸に入れた ゆりねの残ったのを いつかプランターに植え それが おおきくなって 小振りのオレンジ色の花が咲いた。

調べてみたら ゆりねは北海道で全国の95%が生産される。植えてから三年
毎年 花の蕾みを摘果して ようやく根が出荷される。その 多く また95%はコオニユリである。 我が家に咲いたのも このユリだ。 あと ヤマユリオニユリの根っこが ゆりねになるらしい。

可憐な百合の根っこを食すとは 欧米の人が「エー」と言うとおもうが これは食文化の違いなので いかんともしがたい。

百合には ひとつの思い出がある。 母が亡くなった時 棺に白い百合の花が置かれていた。 担当の看護婦の心からの気持ちだったと思う。
白い其の花は 清らかで美しく また とても 悲しかった。それから 今年で29年になるが 思い出すと 涙が出てくる。

あの震災から もうすぐ 四ヶ月になる 亡くなった 二万数千のすべての人に 心の中で 白い百合を手向けたいと思う。

白い百合は悲しいばかりだが オレンジ色の百合は少しあたたかくて 少し ほっとさせてくれる。

これは 今朝 我が家の庭で咲いた白い西洋百合、名をカサブランカと言う。