朝日生命下関ビル


十一月は三日に文化の日があるので 文化の月かも知れない。 なので 今月は山口県の建築に関するブログにしようと思う。 わたしが某ゼネコンの設計部で設計した建物も多い。 さらに 長男の嫁の故郷が周南なので とても親しみがある。

この 建物は下関市観音崎町にあって 直ぐ前は関門海峡である。 私は広島支店勤務であった。 下関は地理的に九州の大都市 博多との縁が深く
従前は九州支店の管轄であった。 なのに 中国地方で下関のみが 広島の領域でないのはおかしい?(当時 中国四国は広島支店の営業エリアだった)とのことで 広島支店にここが移管された。

移管されて すぐに 発注されたのが この 朝日生命ビルであった。

昭和何年だったか 確かではない。

設計の第一歩は現地調査である。 勇躍 私は設備担当者と ともに 当時まだ 新幹線がなく 確か 在来線で 下関に向かったと思う。

無事 調査を終え 営業所の所長に夕食を御馳走となった。が 営業所も貧乏だったらしく 名物のふくの代わりにと さる 一前飯家で食用蛙を?トテモ淡白で美味しいからと 御馳走してくれた。 ありがたかったが 非常に泥臭くて カエルを剥いだ そのままの形がグロテスクで生々しいので 足の一本も食べずに 勘弁して貰った。 アレ以来 カエルなるものは食していない。 いまでも鮮明に記憶している。

地方のビルなので コストも低く 簡素なビルだったが 最近 十数年ぶりに 再訪したら 端正なフォルムと 外装の上品なココアグレー色は健在で嬉しかった。

縦長の窓からは 関門海峡を通過する船舶が一服の絵のようだ!