アンネの想い出

アンネの想い出と云う薔薇。家人に聞いたら 即座に スプニール.ド.アンネ.フランクとフランス語?で答えた。

庭に在る百数十種類の薔薇の名前をほとんど覚えているのが家人の特技である。人はなにか取り柄があるものだ。

我が家の薔薇はほとんどが白系統で かなりピンクもあるが このようなオレンジの濃い色の薔薇はスプニール.ド.アンネ.フランクだけである。

アンネ.フランクの清純さからすれば白い薔薇がふさわしいとも思えるが、この薔薇の作出者は彼女の生き方に合いすぎて あまりにもさびしく 可哀想だと思ったのだろう。せめて 色だけは彼女が明るく輝いた一瞬をイメージして このオレンジ色の薔薇を手向けたかったのだと思う。とても 綺麗な色だ。

第二次世界大戦は私が生まれた年に終った。多くの人がさまざまな場所、理由で死んで行った。人が人を殺してよい理由なんかあり得ない。

時として 平和である事が.生きている事が人にとってもっとも幸福であることを 日常の凡々たる生活の中で忘れる事がある。

戦争で死せるものの記憶を時にはひもどいて、生に感謝したい。