スイスの建物

建物で一番嬉しいのは ほとんどの建物が歩いて上がれる 高さであることである。都会には高層の建物があるが 日本みたいに バカ高い超高層建築はない。

高さを競うのは 傲慢さと「バカの高上がり」、鉄骨とうすっぺらいカーテンウォールの CO2の塊の建物、そして 莫大なCO2を消費するものになんの将来も無いと思う。

建物とは 元来 自然をしのぐための施設である。夏の暑さをしのぎ 風を通す、冬は寒さに対して、戸を楯て、雨風をさける屋根がある。当然
その風土にあう形態があり、その土地で採れる材料から出来ているのが普通である。

超高層建築のようにお金とテクノロジィで 自然をねじ伏せたものは 建築とは言えないと思う。

と 同時に 安ければ良いのハウスメーカー TVで宣伝しているタマホーム他の バラック住宅も住まいとは言えない。あれは単なる箱である。

スイスのグアルダには 築300年以上の素晴らしい住宅が街区として存在している。傾斜のついた切妻屋根と厚い漆喰の壁、壁を彩る スクラグラフィット模様、歴史を持つものだけにある 美しさと気品がそこに存在している。人々はそこに住み、景観を守りつずけている。

また ツェルマットでは切妻屋根の勾配がすべて 一定で、統一された景観をなしている。古い屋根は地元の割石で葺いてあり、この材料で雨が漏らない経験則が屋根勾配を決定し、新しい建物もすべてそれにならっている、もちろん 電線も電柱もテレビアンテナもなく 屋根の色も濃いグレー一色である.工事中の木造の建物の木組みも大きくて丈夫、これから何百年ももつように、十分なお金と手間がかかっていた。

必要な資産には 十分な投資をし、それが 経過する時間で 人々に豊かさと安心をあたえてくれることをスイスの人は過去の経験から学んできたのだと思う。