熟柿


柿の実は青から黄へそれから完熟すると赤となる。堅さも順次柔らかくなっていき 最後は触ると崩れるくらいになる。最盛期は黄の黄金色の時期であろう。赤は限界である。生まれ育った山里では寒さの生家甘柿は育たなかったので渋柿ばかりであった。食すのは干し柿か あおし柿か 熟柿としてであった。晩秋には冷たい熟柿を炬燵で食した記憶がある。それはそれで美味しかった。自然の材はそれ自体の持つ食感が心を豊かにしてくれると思う。

「落日に 容色おとろえ 庭の柿」 忠行