金柑


柑橘類のなかで一番小さいのが鉗子である。実でなくて皮を食すのが常道らしい。少し苦みがあるが香りよく風雅である。小さくてもあまり沢山は食せない。親戚から大量にもらうと家人はジャムにする。独特の風味は捨てがたい。が今年はまだ誰もくれないので造っていない。

「仏壇の 鉗子を落とす 鼠かな」 子規

「金柑の 一粒毎の 香りかな」  忠行