日本の二大俳句は芭蕉の「古池や 蛙飛びこむ 水の音」英訳は[Old pond/Frogs jumped in/Sound of water]と子規の「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」英訳は[ Eat a persimmon/And the bell will toll/ At Horyuji]らしい。 それはともかくとして 秋の日本を代表する果物の第一人者は柿をおいて他には無いと思う。

故郷 今の廿日市市峠は昔は寒冷の地であって 渋柿は成ったが甘柿は成らなかった。柚子も採れなかった。其れくらい奥にあっては厳しい気候の場所でもあった。従って山里の生活は貧乏で貧しかった。が 先祖は恵まれない土地で永々として農業を営んで来た。今現在 私達があるのは彼らの努力のおかげである。

今でこそ 地球全体が温暖化して 少しは峠も過ごしやすくなったが 懐かしく美しいかった山里の情景は中途半端な都市化のあおりを受けて めちゃくちゃに破壊されてしまった。もう二度と峠に住みたいとも思わなくなってしまった。せめて墓地だけは年に四回、盆、秋の彼岸、師走、春の彼岸には必ず清掃して先祖を偲びたいと思う。