シーサー




今日は節分 鬼が活躍する日である。 シーサーは鬼ならぬ獅子の沖縄言葉。

竹富島では民家の南に面した屋根で獅子が上から睥睨している。 もともとは草屋根であったが 火災が頻発したので 千七百年頃 順次瓦屋根にとなった。その際に火事の魔除けとして シーサー(獅子)が飾られ、また 屋根屋さん字自身の萌としても 屋根瓦と漆喰で創られた。

魔除けなので 恐ろしい獅子でなくてはならない。なので 目はギョロリ 口は大きく開いて 牙を剝いている。 だが その出来上がりの姿は どこかユーモラスで 外核線はまるで ルオーの宗教画のようだ。 

各家のシーサーはそれぞれ異なり 形態も違い 見ているだけで楽しい。

最近は陶製のそれも在り 技巧はこらしているが まったく品が無い。

昔からの 屋根屋さんがこころを込めて創ったものは 技巧はともかく 竹富の空のもと とても 輝いて見える。 そして 島を訪れた旅人に喜びと感動と思い出を残してくれる。

再び 竹富島を訪れることも無いだろうが シーサーは自分が死するまで 旅の楽しい思い出とともに 永遠に心に留まり続けるだろう。