とんど




恒例の新春 佐方とんど祭が 10日土曜日 佐方小校庭で盛大に催された。 
今年のとんどは 例年にない大型で 晴天で無風のなか 天を焦がして 燃え上がった。 周辺には青竹に餅をつけ 残り火で焼いて食べようと 大勢の少年少女が いまか いまかと待ち構えていた。

いつもの年の いつものとんどである。 いつも思うのだが 少し残念なのは昼日中に催されるんで 昼行灯なのだ。

昔 ふるさとの上峠の集落での とんどは旧正月から十五日目の小正月 新月の真っ暗な夜の日であった。 当日は朝から 皆の人が総出で 子供達は竹薮から孟宗竹を引っ張って とんどの場所の田圃へ運び 大人達はそれを真木に立てかけて とんどを作ったものだ。凍てつく様な闇夜に 燃えさかる炎は とても思い出深い。 当時の子供は ほとんどが老人となり 大人達は 我が父母ともども あの世へ旅立ってしまい 今では おぼろげな記憶が かすかに残るのみである。皆 貧しかった集落が一つになった行事が そして 昭和の心暖まる情景が 一つ一つ無くなって行くような気がする。