落葉樹



佐伯区城山から 倉重の五日市高校への坂道は いま紅葉が盛りである。 下の方は トウカエデの茜色 上に行くと イチョウの黄金色と なかなか見事である。

風が吹くと ハラハラと葉が落ちてくる。 まるで 生き物のようだ。 葉も人の一生によく似ていて 春に生まれ 秋に死を迎える。 青春の候 緑なす若葉であっても 白秋の時節には 焦茶の落葉となって その役目を終える。 しぶとく枝に残った葉も いずれは 落ちて土になってしまう。 だが 幹と枝は 長い間 成長しつずける。

人も やがては 土に還る。 が また新しい命が 生まれて 少しずつ過去の遺産を引き継ぐのだ。 一人一人の一生は 葉っぱと同じく 極めて 儚いが ほんの少しずつの積み重ねと努力が 今日の世界を作って来た。

かくなる「輪廻転生」を落葉に想う。