ユリ


暑い中 百合が咲いている。 夏の季語だそうだ。

白い百合は 清純で爽やかである。 この花を校章に取り入れている学校も多い、 もっとも女子校であるが。

母が亡くなった時 寒い三月だったが 棺に白い百合が手向けられていたのを思い出す。悲しい風景だったが ひときわ 鮮やかな白が いまでも 心に深い残像を残している。

あれから 三〇余年が経つ。 今年も 盆がきて 墓参したが 百合の白い残像は消えない。 きっと 一生 残っていると思う。