よい小説を読むと おいしい食事を食したときと同じで その日一日 とても幸せで 心が豊かになって 楽しくなる。
この本がそうで 面白くて良い話である。
場所は鎌倉 時代は江戸 井上ひさしさんの終の住処であった鎌倉市にある東慶寺にもとずいた 十五の挿話からなる。 東慶寺は 江戸時代 女性が離縁を願うときの駆け込み寺として 有名であった。
なので この事に関する挿話が花をテーマにした題名で ウイットとユーモア溢れる短編から構成されていて 面白くて 楽しく 一気に読んでしまった。
井上ひさしさんの最後の著作である。本当に惜しまれる作家である。
装画は佐藤昌美。