新入生

長女がまた 新一年生の担任になったらしい。

昨日は 小中高の入学式で ウォーキングの途中でも ピカピカの一年生を多々見かけた。

もう 五十数年まえになる。小学校の入学はまったくおぼえていないが 中学に入学するとき 新しく 母が学生服を新調してくれた。

小学校は田舎だったが 中学からは街へ通う事になる。

当時 我が家では 五日市からバスに乗ってやってくる 行商のおばさんから 衣類を購入していた。 名前はしらない、五日市のおばさんと言っていた。 定期的に 一週間に一度くらい 来ていたと思う。 その度に サービスとして 二三週おくれの 読み古した週刊誌を持って来てくれた。

そのころ 学生服の最新型は ナイロンとか テトロンとかの 皺になりにくい繊維でできたものだった。 期待していたが 母が買ってくれたのは
木綿製の学生服だった。多分 一番 安かったのだと思う。貧しく 苦しい家計で いろいろ 考えた揚句の事だったと思う。

やはり 街の中学では木綿の服を着ているものは ほとんど いなかった。
いやだったが 我慢して 毎日 学校に通った。

ほかのことは あまり記憶にないが この件は鮮明である。

その 母も随分前に亡くなった。

入学式へ向かう 親子を見ると うらやましく とても良い情景でもある。

胸にコサージュをつけた 母親も多い。