真昼の花火

だいぶ前に亡くなった 私の好きな作家の一人 吉村 昭さんの未発表作品。透明感のある文章はどの作品にも通じ すべてレベルが高い。

とあれ 表紙の絵が気になったので 奥付をみると 松本 竣介とある。

彼は (1912-1948) 戦後36歳の若さで死亡、 都会の風景とそこに生きる人々を 理知的な画風で描いた。 戦争中には 軍部による 美術への干渉に抗議して「生きている画家」という文章で 当時の戦意高揚や国威発揚の風潮に反して 芸術の自立を唱えた。作品もすばらしいし 反戦の意思にもおおいに 共鳴する。

本の絵は「運河風景」で 関東の大川美術館に所蔵されているらしい、機会があれば 観に行きたいと思う。