C59


公園の片隅にかって国鉄山陽本線呉線で客車を牽引していた蒸気機関車C59がひっそりと置かれていた。戦後 唯一の優等列車広島と東京を結んでいた急行「安芸」の先頭にあってその勇姿が華やかだったこともある。当時は確か昼前後に広島をたち東京には翌日の朝に到着していたと思う。いまは新幹線で四時間弱だから隔世の感がある。でもスチームロコはとても人間的であたたかな機関車であったとおもう。メカニズムが直感で理解可能だ。熱源が蒸気から電気にかわり風情も情緒もなくなってしまった。

「機関車も 役目を終えし 酷暑の日」 忠行