県道30号線


今住んでいる佐方と故郷 峠をむすぶ県道の明石峠で唯一残っていたヘアピンカーブが改良され 併せて登坂車線も付加された。

中学 高校とこの道をバスで通学していた頃は まだ道は未舗装で 明石から上峠まで ぜいぜいとエンジンを唸らせながら 七曲がりの道を三十分弱かかっていたように思う。 その道が順次改良され 今では 車で約五分で昇ってしまう。すばらしい進歩ではある。挙動天地と言えよう。

彼の地だが 父母がなくなってからは利便性は向上したが縁は薄くなって 知人も少なくなり 距離は近くなったものの 気持のなかでは逆にはるか遠くなってしまった。

室生 犀星の歌にあるように 近くにいても心で思う「ふるさとは 遠くにありて思うもの そして悲しくうたうもの」