西区井口にある西部埋め立て地の公園に 韓国製のライオン像の 御影石でできた碑が設置してある。

読むと 当時 井口沖の漁業権を有していた人々が海を埋め立てるに当たって 生業を失うことへの惜別の心と将来への不安や展望が記してある。

丁度 高度成長期には 日本全国で海を埋め立て そこに 工場や流通施設を建設して 多大の利潤を得、 人々は金銭的の豊かになっていった。

しかし 反面 美しかった日本の海岸線の風情と 人々の絆は徐々に 失われて行った。 小説「オリンピックの身代金」を読むと 当時の国民の 高揚感と それに取り残された貧しい地方の人々の姿が鋭く描かれている。

そして 今 私達は 二度と得られない環境と 人のつながりを失ってしまった。

貧乏から決別して 豊かになることは とても良い事だけれど 日本人の特性である思いやりと 心使いと 誠意を忘れてはいけないと思う。