ミツマタ


ミツマタはコウゾやガンビなどと並んで 和紙の材料である。子供の頃 ガンビの樹皮を剥いで干して 売り わずかな子遣いを得た記憶がある。

名前の通り ミツマタは三方に別れた枝の先に黄色がかった白い花を この時期つける。

江戸時代 火事が多く 商家では 火急の際 売掛帳(大福帳)を井戸になげこんで 火から守り 後に引き上げて 売掛記録を確認したと聞いた。
なので 紙と墨は火に強く 水に強い 上質で厳選されたものでなくてはならなかった。だから上質な和紙はとても貴重だったようだ。

日本の各地には その上質の和紙の産地が多々あって 緑と水にめぐまれた土地が相当していた。 近くでは津和野がそうである。

洋紙と異なり その強さは特筆すべきで 加えて 繊維と白さが織りなす和紙の美しさは日本の美を象徴していると思う。