明石峠のタムシバ


汐見坂とも言う明石峠のタムシバが今年は一段と鮮やかである。 まるで 雪をいだいた山に見える。 タムシバは隔年毎で 良く咲くみたいだ。

一説によると この峠は大竹出身の作詞家 石本美由起だんの名曲「柿の木坂の家」の題材らしい。 確かに 峠から三里で廿日市駅に着く。

其の昔 江戸時代 津和野藩の参勤交代で 藩を出てから 初めて 海を望見したのが この峠で ここから汐見坂と言ったらしい。

亡くなった父が生前 残した言葉は数少ないが 広島に原爆が落ちた当時 交通機関もなく 自転車で 広島市内まで行き来したと言っていた。 大変な労苦をして 通った物である。

春のタムシバ(コブシ?)は 何時も この峠を 沖へ また 奥へと 上り下りする人々の目を 今も昔も 楽しませ 一時の安らぎと休息を与えている。