百合

百合の花には いろんな思い出がある。

生前 母が 峠の庭に山からもちかえった ヤマユリを植えていた事があった。 時節になると 可憐な花が 私達家族を楽しませてくてが そのうち
いつとはなしに 絶えてしまった。

その 母が亡くなったおり 棺に 白い百合が手向けられていた。 まだ 蕾みであった。

今年の正月の花にと 家人が松の枝に 白い百合を合わせた。 可憐で 可愛く しばらくの間 目を楽しませてくれた。

母が亡くなってから 今年で三十年になる。 やっと 素直に 百合の花が見れるようになった。