遺作

はつかいち図書館の新着図書を検索していたら 最近亡くなった 私の好きな作家の遺作が二つ掲載されていたので 早速 取り寄せて読んだ。

1つは 海老沢泰久さんの「追っかけ屋 愛蔵」で江戸時代を描いた娯楽小説だが 背景の時代考証も正確で 文章も明快適切でとても面白かった。日本の作家のなかでも 抜きん出で 平易で判りやすい文章の作成者であった。文の優れた技術者だった。 59才で死去したので 非常に惜しまれる。本の奥付きをみると 装画が長友啓典さんであり これも また 楽しい。

もう1つは 歴史小説吉村昭さんの句集「炎天」で 平易で正確な表現の俳句が心とらえる。歴史小説でも 藤沢周平さんや司馬遼太郎さんとは また 異なった視点と叙事的で正確な文章で 人の心とらえる作品が多い。

このところ 本を読む機会が全くなかったが 遅ればせながら 読書の秋の一日となった。